前回に引き続き、今日は高山隆司氏、山下幸弘氏の共著「シニア通販は”こだわりの大人女性”を狙いなさい!」の読後レビューをエントリーします。
本書を読む前に「こだわりの大人女性」って何だろうなあと考えました。まあタイトルに「シニア通販」とあるので、そっち方面の内容であることは確かなのでしょうけど、女性は皆、自分なりのこだわりを持っていて、それが齢を重ねるにつれ、いろんな変化をしつつも、結局は「自分らしさ」の追求につながっていくものだと思っています。
すでに訪れている少子高齢化社会の中、ますます複雑化していく消費社会において商売の柱をどう作っていくか。今後数十年の人口動態予測から見て、今まさにミドルからシニアの女性がターゲットとなることは火を見るより明かです。本書ではその消費のド真ん中にいる女性を「こだわりの大人女性」と定義付け、通販というビジネスモデルにおいて彼女たちと仲良く、居心地よく感じてもらいながら上手にお付き合いする方法は何かを論じています。
それは、ターゲット女性のライフスタイル、消費性向に始まり、商品開発のあり方、そして著者陣が所属する企業の中で行われているマーケティング手法など、通販ビジネスのビジネスロードマップが頭に入ってくるような内容となっていて、女性向けの通販やECに携わっておられる方にはおススメです。業務のTIPSなども書かれていますし、上司が通販を知らない!なんてお悩みの方にはもってこいかと(笑)。
すごく簡単に各章のサマリーを書くと以下の通り。
第1章ではターゲットとなる女性の消費性向やライフスタイルの変化をどう理解しておくか。
第2章ではその世代の嗜好の中身、美容、オシャレ、健康に関する商品開発のあり方。
第3章ではスクロールグループのそれぞれの事業体が行っている”こだわりの大人女性”との通販ビジネス的関わり方を披露。
第4章ではプロモーション事例と考察
第5章ではネット活用とファン作りの方法
前回レビューした「ネット通販は”物流”が決め手!」同様、通販の教則本と言える内容です。
タイトルこそ「シニア…」とありますが、実際は女性は皆こだわりが強い。中でも特に団塊ジュニアより上の世代は大量消費時代を生きてきた上に、本人や家族のライフステージの変化に直面してくると、こだわり方にも変化が訪れるものです。無駄な物欲はなくなり、むしろ「上質なモノを少し」という方向に移行し、お金の掛けどころが少しずつ変化し、心の満足を得る時間を消費するという考えに近くなる、ビジネスとして彼女たちと向き合うにもそういうことをきちんと押さえておかないといけませんよ、本書に書かれていることを要約するとそういうことでしょうか。
いずれにせよ、女性の消費は未来の自分への投資がメインですよね。そこはいくつになっても変わらないと思います。