Satoru ONISHI について

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テレビ東京ビジネスフォーラム2015『未来世紀ジパング』の回に参加してきました

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2/11(水)週半ばの祝日、朝からイベントに参加してきました。「テレビ東京ビジネスフォーラム2015」というテレ東開局50周年特別企画イベントで、テレ東のコンテンツの柱とも言える経済報道5番組が一同に会し、それぞれ番組の出演者がパネリストとして登壇、番組ならではのアプローチや視点で日本経済を元気にする方法をディスカッションしたりするものです。私は毎月曜夜10時からの「未来世紀ジパング」のセッションに当選し、行ってきました。

会場はANAインターコンチネンタルホテル、よく広告系、マーケティング系のイベントなどが行われるところです。会場にはメインスポンサーのちょっとしたブースがあり、開場前には某社の説明を聞いたりしてました。WBS(ワールドビジネスサテライト)のブースはフォトスポットになっていて、番組のレギュラー陣の等身大パネルと撮影できるということで、私もパチり。意外とみなさん小柄で驚きました。

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さて、前置きが長くなりましたが、肝心の「未来世紀ジパング」フォーラムについて。司会進行は大橋未歩アナ、今日は大ぶりのパール系ネックレスがとてもかわいい。そしてMCのSHELLY(私、大好きなんです)このパーソナリティがあってこその未来世紀ジパングだと思ってます。そして竹田圭吾氏、坂下千里子ちゃん、後藤康浩さん(日経編集委員で当番組のナビゲーター)、パックン、後半にはプロデューサーの大久保氏も登壇。いわゆるジパングファミリーです。
会場には800人の一般視聴者がきゅうきゅうしながら見守ります(詰め込み過ぎなのか、前後の席間が狭く居心地はそんなによくなかったのです)。

放送開始から3年半、オンエア回数159回、紹介された国と地域は79に及ぶとのこと。最初の頃のナビゲータはなんと池上彰さんだったらしく、それそれで見たいという気がします。
約2時間の中で、いろんなコーナーがありました。それぞれにおもしろかったのですが、箇条書きで挙げておくと。

<パネリストにとって、これまで印象に残った国、注目している国>

  • SHELLY:中央アジアの北朝鮮と言われているトルクメニスタン(私も衝撃を受けました)
  • 後藤康浩氏:昨年のW杯前にオンエアされた親日国コートジボワール
  • 竹田圭吾氏:特定の国ではなく、番組で追いかけた香港雨傘革命の女神と言われた周さんや日本企業への就活を目指すミャットゥさんなど若い女性のパワー、エネルギー
  • パックン:香港のこれからに注目(返還直後の中国における香港のGDPは中国全体の15%、今や3%、それだけ中国経済が伸びていることでこれからの香港の動きに注目している)
  • 坂下千里子さん:中国の格差とソマリランドのような未承認国家の存在

<2015年注目の国>

  • 後藤康浩氏:中国
  • 竹田圭吾氏:ロシア
    特にパネリストのみなさん声をそろえておっしゃっていましたが、中国は国内とかではなく、アジア全体において、どこの国を取材に行ってもそこで中国の影に出くわす(あるいは中国の影響を窺い知ることがある)という意味で世界経済に及ぼす国家になっていることや、急成長が一段落し、鈍化しつつある中でニューノーマルに上手に移行できるのかどうかが試される時期だとの見方があります。
  • パックン:キューバ
    昨年末に電撃的に国交正常化に向けて話し合いを始めることに合意というニュースが流れましたが、確かにアメリカのみならず世界から見てもキューバとアメリカの問題は非常にインパクトがありますね。
    パックンはキューバは天然資源がない国家ですが、観光資源となる自然は素晴らしい。可能性が大いにあると言ってたし、古き良きものを残しつつ新しい文化構築のために日本の技術やノウハウがキューバにも入っていけばおもしろいと思いますね。

<イスラム国に関して>
竹田圭吾氏がおっしゃったのが印象的でした。イスラム国は点で見るのではなく線と面で見ないといけない。スコットランドの独立住民投票やクリミアのロシア統合などがその例で、1つの民族に1つの国家という考えは揺らいでいる。その究極がイスラム国の存在。主権国家が脅かされ、世界地図に載っていることが当たり前だった時代が壊されようとする可能性のある時代になっていると。
後藤康浩氏は、イスラム国の芽は局所的に縮小したとしても確実に拡散している。そこから世界のさまざまな地域でイスラム教に対する偏見が出ないようにしないといけない。

<日本経済を元気にするには?>
これは会場からの質問。
後藤康浩氏:やりたいことがたくさんあるのに心の問題や客観的な状況判断により、本当にやりたいことを日本人ができなくなっているのではないか。これを(やりたい方向に)突き進めば元気が出てくる。
竹田圭吾氏:「おもてなさない」こと。2020年の東京五輪に向け、観光立国などと言ってるが、インバウンドに対して日本は「構えすぎ」だと思う。”おもてなし”として作ってしまうと本来の日本人の良さが陳腐化する可能性がある。素のまま、ありのままの日本で勝負することが大事。

とりとめもなくメモしていたことを残してみました。この番組、私は好きです。ガイアが事象そのものにフォーカスし、カンブリアは企業と経営者にフォーカス、未来世紀ジパングは国と地域の中で盛り上がる(沸騰現場と言います)事象の中に見る日本にフォーカス。いずれも好きですが、SHELLYが好きなので今は未来世紀ジパングを応援します(笑)

テーマ発掘からオンエアまで2〜3ヶ月、12チームが動き、数チームはどこかの国に出向き取材しているということも聞きました。裏話も少し聴くことができましたし、ジャーナリズムの重要性といいますか、私たちがまったく知らない国のことなどを見聞きできるのは沸騰現場に足を運んでいる人たちのおかげなんだなあと思うと、また番組を見る姿勢も変わってくるかもしれません。

また次の機会があれば足を運びたいものです。

小さな会社こそ、高く売りなさい

竹内謙礼さんの本をいくつか読んだことがありますが、たいていタイトルに釣られて買うことが多いのです(笑)。でもそれは悪い意味ではなく、私がその瞬間に課題として考えていることがタイトルとなって自分の目に浮き出て見えたからなのです。

ただ、今回はタイトル全体ではなく、中身です。決して、小さな会社の価格戦略にフォーカスを当てたものではなく、小さなサイズゆえの性(さが)や先入観、思考性などについて記されていたからです。いわゆる「小さな会社」をこれから大きく成長させていこうとする中で、最初に押さえておかねばならないこと(ヒント)が中身をちら見したときに浮かび上がったのです。

いやあ、読み進めていくうちに寒気すら覚えました。これは竹内さんが「概論」ではなく、実体験に基づいて整理してきた考え方なんだと思いますが、典型的な零細企業、特に技術があるが売り方知らない的な会社にはズバズバ当てはまるような気がしました。小さな会社から中規模サイズまで該当する気がします。

そもそも、小さな企業が生き残っていくためには、大手と同じやり方をしていたのでは無理。それは現在大手企業に成長した企業を立ち上げた過去の賢人達もそう思っているはずです。ヒトやモノにはお金がかかる、投資して失敗すればその分ビハインドになります。が、企画(アイデア)を考えるのにはお金はかかりません。例え、出した企画がモノにならなかったとしても、それだけでは大きなリスクはない。だから小さな会社は企画で勝負しなさい、というものです。でも、その「企画」には結構エネルギーがかかる、そこを小さな会社はないがしろにしがちというインサイトなのです。読んでてアタマが痛くなるのを覚えました(笑)

小さな会社にとって非常に辛辣な表現を用いてますが、かなりの洞察だと思います。言うは易しと評する方もいらっしゃるかと思いますが、私は読んで良かった一冊だと思います。

「宇都宮×ソトコト 地方を楽しむダブルプレイス・トーク」に参加して感じた「地方」

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(Photo:宇都宮観光コンベンション協会)

一昨日(1/31)、Facebookでの友人の投稿でこのイベントのこと、「ダブルプレイス」というニ拠点生活の価値観があることを知りました。私自身は宇都宮とは縁もゆかりもないのですが、地方出身者として地方都市のこれからのあり方や楽しみ方、向き合い方には関心もあります。それにリハビリがてら外出を少しずつ増やしているフェーズだったし、良い天気の日曜日、朝から暗いニュースも流れていたため、気分転換も兼ねてちょっくら出かけてみようということで行ってきました。

会場は武蔵野大学にあるロハスカフェARIAKE、会場には市役所の方や地元最強メディア、下野新聞社の方などがいらっしゃって、もっと小ぢんまりとしたイベントを想像していたので会場の雰囲気に宇都宮の本気度(失礼!)を感じました。

トークゲストは、宇都宮の佐藤市長、宇都宮ブランド推進協議会会長の古池さん、安藤美冬さん、そして、清澄白河 gift_labの後藤さん、池田さん、そして、実際に宇都宮をダブルプレイスとして生活している、シェアハウス「KAMAGAWA LIVING」住人代表の後呂さんと、「KAMAGAWA POCKET」の中村さんの7名、ファシリテーターにはソトコト編集長の指出さんといった顔ぶれ。

前置きはこのへんにして、感想を少し。
ふだんの仕事やプライベートの時間にはない時間と環境がそこにはあり、宇都宮をモデルに自分なりに地方のことを考える機会が持てたと思ってます。

冒頭でも触れましたが、私は1度だけ餃子を食べに行ったこと以外、縁もゆかりもありません。2010年から「住めば愉快だ宇都宮」というブランドメッセージを掲げ、全国に対してPR活動を強化していることも今日知りました(すみません)。

しかしながら、佐藤市長や実際に暮らしている後呂さんや中村さんのお話などをうかがっていると、宇都宮への興味はわいてきました。印象に残ったのは、面積の80%が平地で自転車乗りに優しい町であること、農商工のバランスが非常に良い都市であること。自然災害が少なく、外から流入してきた人にもやさしい(らしい)こと。まあ、こういう場では良いことは聞かれますが、悪いことはあまり出てこないですよね。暮らしてみないとわからないことがあるのはどの都市に行っても同じことなのであまり気にしませんが。ただ、もう一度ちゃんと訪問してみたいと正直思っています。

私は地方出身者であるがゆえに、地方が好きです。仕事を求めて首都圏で暮らしていますが、基本的には田舎者ですし、地方が持つ魅力がもっともっと認知され、そこに暮らす人が流動的になるべきだと思っています。この先どんなことがあっても首都東京が遷都するということはあり得ないでしょうから、地方はもっと魅力を持ち、強く逞しい存在にならないといけないと感じています。
旅に出るとその地方が好きになります。良いところ、たくさんあるんですよね。「ローカル」であることはとても素晴らしいことです。
ただ、残念なことも。どこに行っても全国規模のナショナルブランドや大手小売業のショッピングモールによって消費がコントロールされていることなど。逆にどこに行っても同じ味やサービスに出会えるという安心感も一方であります。でも、買い物が楽しいのは「ならでは」の場所。海外に行ったときに楽しみなのはローカルスーパーに行くこと。だから地方に旅行に行ってもそういう地元スーパーを探します。

さて、肝心の「ダブルプレイス」という価値観ですが、私が今日認識したのは、仕事でも生活場所でも遊び場でも何でもいいから自分にとって縁があり、居心地いいと思えるようなところ(拠点)を行き来したり、週末移住してみたり、といった生活拠点を2つ持つということです。
私の場合、どうでしょう。この2拠点に自分の実家である高松市は入るのだろうか。いや、入りませんね。高松は幼少〜多感な時期を過ごした、ある種神聖な場所であり、最もホッとする街。その反面、多くのしがらみがある場所です。もし何か新しいことにチャレンジするとなると、血が濃すぎるあまり、地元での関係性があしかせになるのではないかと思ってしまいます。

私はそういう意味で、縁が濃すぎない場所をダブルプレイスにするのがいいのではないかと思います。その方が街にとっても本人にとってもイノベーションが起きやすい気がするのです。

私が学生のころなど「暮らす場所」としての選択は「地方(地元)か都市圏か」しかありませんでした。高松で育ち、大学は西宮、就職は京都、転職してUターン、そしてまた転職して上京。。。住んだところはどこも好きですが仕事の場所、勉強の場所という感覚なので「ダブルプレイス」という価値観には至っていませんでしたね。年齢も重ねてきたので老後の心配などもありますが、もっと自分が自分らしく活動できる場所として、地方都市とうまく出会え、心地よさを感じ、そこで出会った人たちと核融合よろしく新しい「芽」が出てくる暮らしはとってもおもしろいかもしれません。そういう意味でも「ダブルプレイス」という価値観を知ることができてよかった。

最後に。地方がもっともっと元気にならないと日本はつまらない。せっかく訪日観光客が増加し、その波は都会だけではなく地方にも向けられています。都会ではとにかく訪日消費ばかりに気を取られ、内需の弱さをカバーしようと躍起になっていますが、地方はそんな消費喚起の施策とはまったく異なるアプローチができると思います。無責任発言で申し訳ないですが、国内へのアピールももちろん、外国人にとってもダブルプレイスになれるような魅力ある都市にしていくことが必要ではないかと感じました。

いつもと違う脳を使えた気がします。またこういう機会があれば参加したいですね。
この本、もう一度読み返してみようかな。。